Aさん

スティッフパーソン症候群と診断されて8年ほどになります。今、47歳です。

今、思えば毎朝の朝礼のラジオ体操で「跳躍」ができなくなったことがおかしいと思い始めたきっかけでした。

もともと重症筋無力症を発症(29歳)しており、そちらは落ち着いていたのですが、そのせいかと、初めは開業医の先生のもとに駆け込みました。薬を増やしても良くなるどころか、足の運びが思うようにならなくなり、こむら返り、腰の激痛(今思えば筋痙攣)、下肢の違和感、どうしたらいいのかわからない日々でした。

そこで、開業医の先生が大きい病院で診てもらったらどうかと紹介状を書いてくださり、以前、重症筋無力症でお世話になった病院の神経内科にかかり、様々な検査の結果、血液検査によりGAD抗体が6万超えで、症状からしても間違いないということでやっと病名が付きました。

おかしいと思い始めてから半年後でした。

幸いにして私の主治医が過去にこの病気の患者に出会ったことがあったため、症状等からもしやと疑ったようです。

まだひとりで歩けていた頃は、「止まってしまうかもしれない。」という恐怖から、横断歩道が渡れなくなり、歩きがぎこちなくなるとともに何度も転び、酷い時は脳震盪はもちろん、肋骨骨折、顔面強打による骨折と、転んでばかりで気づけば支えがないと歩行できなくなっていました。

もう2度も転倒により会社から救急搬送されているため、仕事中・外出時は車イスを使用しています。私はまだ状況はどうあれ勤務できていますが、ホリゾン1日あたり40ミリが無ければ、間違いなく体は固まってしまいます。(一度妊娠時に一切の薬をやめるよう産婦人科の主治医に言われ、子供のためにとホリゾンをゼロにしたら、みるみるうちに固まり、14週耐えることができず、残念ながら子供も流れてしまいました。) こんな症状があっても指定難病に含まれない。では、何を持って国が難病と判断するのか、全く理解できません。病人(症例)の数で量られるのはあまりにも不公平であると思っておられる方は私だけではないと思います。

アンケート結果報告

2016年に実施した患者会アンケート

過去の文献でも発症時年齢は 41.2 才との報告があります。1)

1)The clinical spectrum of anti-GAD antibody-positive patients with stiff-person
syndrome Neurorogy.
2000 Nov 28;55(10);1531-5

現年齢も 2 極化しています。働き盛りの 40 代と 50 代が多くなっています。
指定難病にならないと身体障がい者総合支援法に該当しないので、必要な生活支援が受けられません。
既に身体障がい者手帳をお持ちの方は、受ける事が出来ます。

確定診断までの年数は 1 年未満と 3~5 年が多く見られました。
SPS についての診断基準が定まっていない事と、認知度、その患者さんの進
行具合にも影響していると思われます。
5 年も要した方についてはその間の数々の苦悩があった事と思われます。

診療科については整形外科が 4 割にのぼります。直ぐに神経内科に紹介され
たのか?その点についても次回以降確認のアンケートが必要だと思われます。
また整形外科医師への本疾患の啓蒙活動も必要です。

実際に社会保障を既に受けられている方は本アンケートでは 60%にのぼりま
した。40%の方は身体障がい者手帳の該当にならない状況なのか?申請時期が
満たないのか?modifid ranking scale でみると 1 名既に電動車椅子になって
いますが身体障がい者手帳を取得されていませんでした。

Mayo Clinic では 25 年間で 99 例の SPS 症例が報告されており、うち 67 例
(68%)が女性であったとの事です。本アンケートも同様の結果となっていま
す。

SPS が 16 名(80%)、PER が 1 名、未確定診断が 3 名いらっしゃいました。

社会保障無しで療養中の方が 2 名あり、継続勤務の方も 2 名は不定期勤務、
5 名は未だ軽症の段階のようです。

抗 GAD 抗体陽性率は 30%と低く、60%に認められるとされている状況との乖離が見ら
れます。本アンケートに重度者の参加が難しいのかもしれません。未だ知られていない抗
体や日本で検査できない検査、また健康保険が適応できない検査もあり個人負担で検査さ
れている方もいらっしゃいます。

日常生活の不自由さを表す標準的なスケールです。

呼吸状態の問題が少なからず存在し、継続的な評価が必要です。呼吸機能を
定期的に計測する必要はありそうです。Peek flow mater という簡易な検査で
も計測できますが、通常の病院であれば検査できます。主治医と相談してみる
事も良いかもしれません。

車椅子駆動の方がいらっしゃいますが、上肢の痙攣があり、体幹の硬直に影
響するのではないかと思われますが、社会保障を受けられていない方のようで、
電動車椅子を購入できない状況が推測されます。独歩可能な方が多かったの
はアンケートに未だ軽症者が多く参加されている状況を反映していると思われ
ます。

両下肢の強直、筋肉の痙攣、体幹の強直が最も多くの症例に見られています。
これは歩きにくさという症状で現れるため、整形外科受診への流れになるので
しょう。脊髄症と誤診されることも容易に考えられます。脊髄症との正確な鑑
別手段の提示も必要です。
PER や PERM の症例が少ないので呼吸機能の部分で少ない結果となってい
ます。意志伝達装置などの装具の処方や情報提供が進めば、もっと重度者のア
ンケート参加が可能かもしれません。

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